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ブラジル・パンタナール便り・・・・
2005年 12月 18日
動物相
パンタナールを代表する動物といえばワニとカピバラと鳥。

ワニは推定300万匹いると言われている。ワニの仲間は3種類に大別される。アフリカやオーストラリアに生息するクロコダイル科、インド、南アジアにいる口が細長いガビアル科、そして南北アメリカ大陸に生息するアリーゲーター科。
パンタナールに生息するワニはアリゲーター科メガネカイマンの亜種、パラグアイカイマン。頭に対して目は大きくて愛嬌がある。体長は大きくても2m弱。ちなみにアマゾンにいる種はクロカイマンで最大6mにもなる。とにかく乾期7~10月にPLに訪れるとワニはたくさん見られる。

世界で記載されている野鳥の数は約9000種と言われパンタナールでは約650種観察されている。そして、その外縁部であるセラード(複合潅木疎林地帯)を含めると950種記載されている。野鳥観察を専門に一週間パンタナールに滞在すると300種前後観察できる。鳥の知識が全くない一般観光客でも最低でも70種程度は見られる。少し真剣に双眼鏡で観察すると70~120種見られる。
ここで目に付く代表的な鳥はコウノトリの仲間のズグロハゲコウ、アメリカトキコウ、サギ類でダイサギ、アオサギ、アマサギ、ユキコサギ、トキ類はハイイロトキ、クロハラトキ、アオアシトキ。ワシタカ類はキガシラコンドル、クロコンドル、ミサゴノスリ、タニシトビ、その他ヤマセミ類、キツツキ類、インコ類、カマドドリ類、アリドリ類、タイランチョウ類など多種多様な鳥が観察できる。その中でも絶滅危惧種に指定されている全身コバルトブルーの大型インコ「スミレコンゴウインコ」が比較的容易に見られる。

哺乳類で一番有名なのが齧歯目最大種のカピバラ。様相は全身茶色の巨大なモルモット。ネズミと違うのは鼻先が尖らずに箱型。水辺や草原で群れを成して生活している。危険が迫ると水中に逃げる。生後一週間たらずの子供でも巧みに泳ぐことが出来る。

レッド・データブックの絶滅危惧種に記載されているオオカワウソも代表的な動物。三日月湖や流れのない中規模の河川を住処にし、多い時には10頭前後の群れとも遭遇することもある。

また湿原に適応した個体として面白い種はヌマジカ。草食動物全般は水には入りたがらないがこのシカは胸まで水に浸かって水草を食べる。そして川辺林などのある程度湿度が保たれている濃い森には南米大陸、哺乳類最大のバクも生息する。水場の生活を好み、川辺林などの歩き易い散策路に溜糞をする。森の中で小型のイノシシのような個体が数十頭群れを成して牙を鳴らしていたら危険である。クチジロペッカリーといわれ敵に猪突猛進で襲ってくる。ジャガーですら手におえない動物。この群れと遭遇したら木の上に逃げるしかない。

南米ネコ科最大のジャガーはブラジルではパンタナールが一番観察し易いと言われている。ジャガーは完全な夜行性ではなく薄明薄暮なので夕方や朝方の川辺の土手や中州の砂浜で休んでいる姿を見かける。ネコ科動物は概して泳ぎが得意ではないがジャガーに関して例外のようだ。中型のネコ科、オセロットなどは夜の水場で見ることが多い。

草原に墓標のように点在する大きなアリ塚の白アリを食べるオオアリクイはそれほど多い個体ではない。むしろ樹上性白アリを捕食する小型のコアリクイの方が見られる。

サル類はアマゾンのように種類は多くない。パンタナールで観察できる個体は、クロホエザル、フサオマキザル、シルバーマーモセット、ヨザルの4種のみ。ホエザルは川辺林、フサオマキザルはアクリ椰子が密生する島状森林などで生息している。マーモセットはリス位の大きさなので肉眼で見つけるのは困難である為、コミュニケーション時に発声する特徴のある甲高い鳴声でおおよその場所を確認してから見つける。

コウモリでは南米特有の小魚を捕食するウオクイコウモリが珍しい。夕方薄暗くなると川面に甘い芳香を漂わせながら水面にいる小魚を長い足で捕まえる。このようにパンタナールの動物は水辺の生態系に適応した種類が多い。

by pantanalinbrazil | 2005-12-18 03:00 | パンタナール 概 要


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