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ブラジル・パンタナール便り・・・・
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2005年 12月 22日
誕生日パーティー
 ブラジルはカトリックの国。それゆえか生誕記念は日本よりも派手にやる。僕が見るにはあまり宗教には関係なく、陽気なブラジル人が単なるドンちゃん騒ぎが好きでやっているような気がするのだが。
 特に子供の誕生日は凄い!日本では七五三だが、こちらでは1歳と15歳の記念を派手に行う。昨日は娘の1歳の誕生日で形式だけだが本当に親しくしている近所の人達だけを招待してささやかシュハスコ(ブラジル式焼肉。注:)パーティーを自宅で催した。
 家内がケーキを作り、僕が肉焼きおじさんとなってご接待。夜の7時半から始まって皆が帰ったのは11時過ぎ、片付け終わったのが12時過ぎ・・・・。疲れました。
 
 明日から会社の年に一度の会議を兼ねた慰安旅行。なんとリオ・デ・ジャネイロに行きます!できればリオの様子を掲載したいな~。

では皆様良いクリスマスをお過ごし下さい。

注:本当は肉焼きの様子をお見せしたかったのだが、自分が肉焼きに徹して撮影するのを忘れてしまいました。やれやれ。ま、今回は親馬鹿の様子で勘弁して下さい。シュハスコの様子はまた改めて・・・・・
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by pantanalinbrazil | 2005-12-22 21:22 |  人
2005年 12月 21日
アセローラ
今日は曇りなので、夕やけはなし。
事務仕事の合間に中庭のアセローラの果実を採集する。この果実はやせた土地でも、とりあえず水さえ与えていれば1年中なる。僕の冷凍庫には常に冷凍アセローラが保存されて、訪問客には自動的にアセローラ生ジュースが提供される。ジャムにしても美味しい!
本日はボールに4杯ほど収穫できた。ブラジルは美味しい果実がたくさんあり、それも安い!マンゴーやパパイアはここではタダ!パイナップルは芯まで食べられる。バナナは歯にしみるくらい甘い!!果物好きにはたまらない国だ。
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by pantanalinbrazil | 2005-12-21 11:28 |  植 物
2005年 12月 20日
おしゃべり
今、ブラジルは夏時間で通常よりも1時間早い。
したがって、日の入りも19時過ぎ・・・・・
一日中家の中に居ると頭がおかしくなるので軽い運動がてら
自転車で空港近辺をサイクリング。
夕焼けの写真を撮っていると、遠くから僕を呼ぶ声が聞こえる。
「ロベルト!こっちに来い、セスナが降りて来るぞ!」
近所に住むセスナのパイロット、リリットおじさんだ。
セスナは夕暮れの中、乗客を降ろして、そのまま息をつかずに
再び離陸し100km離れたクイアバへ向かった。
リリットはぼそっとつぶやいた。
「ロベルト、あの家族はめちゃくちゃ金持ってるんだよな~。」
僕「でも、あのセスナあまりここで見ないけど、地元の人?」
リリット「セスナはいつもクイアバに置いているのさ。」
僕「何してもうけたの?」
リリット「金鉱と牧畜・・・・・」
僕「あ~やっぱりね・・・・・・。」

そうなのである。僕が住むポコネの町は224年の歴史がある
金の採掘で発展した町なのだ。それと古くから行われている
パンタナールの天然牧草を利用した肉牛の放牧・・・・・。
この二大産業がこの町のお金を動かしている。
ブラジルは人種差別の無い自由な国だと言われているが、
金持ちと貧乏の貧富の差は激しい・・・・・階級社会である。
僕は果たして、どの部類に入るのだろうか・・・・・。
つづく
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by pantanalinbrazil | 2005-12-20 19:54 | パンタナール 風 景
2005年 12月 19日
夕焼け
本来、フィールドに出て仕事をするのだけれど、最近PCに貼り付け状態。
このブログを通じて自分に写真を撮る理由をつけて、なるべく毎日写真を撮る
ようにしたい。
自宅からパンタナールまでは車で30分程度、距離にしてわずか15km・・・・
近いようで、遠いのだ。でも自宅から2分のところに空港がある。
空港といっても小型セスナが離着陸できる程度の未舗装滑走路である。
トキや様々な野鳥、牛や馬が徘徊している牧歌的風景の情緒ある空港。
広がりのある風景はとれるので、そこでなるべく毎日撮影するつもり。
まずは第一弾!
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by pantanalinbrazil | 2005-12-19 22:42 | パンタナール 風 景
2005年 12月 18日
あいさつ
f0022866_8575357.jpg皆さん、こんにちは。
僕はブラジル中西部マット・グロッソ州の首都クイアバから南に100km 離れたポコネ市に住んでいます。北パンタナールとは目と鼻の先です。
1992年にブラジルに移住して、今年で17年目になります。パンタナールとの出会いは旅人として訪問した92年の9月です。翌年93年4月からパンタナールの牧場ホテルで管理人の仕事を始め、町と離れた森の生活を二年間堪能しました。その後、州都クイアバに移動して観光ガイドの仕事を始め、車を入手し見聞を広める為、2年ほどパンタナールを放浪しました。

f0022866_953624.jpg観光業に携わり始めて14年目。世界各国の観光客を始め、釣人、野鳥観察者、動植物研究者、テレビ番組撮影隊とそれぞれ目的が違う多様な人達との出会いがありました。そのほとんどの方が口をそろえて言っていたのが、「いかに南米の自然に関する情報が少ないか!」という不満です。近年のインターネット検索を駆使すれば多少なりとも英語やポルトガル語サイトの情報は得られます。しかし、日本語となると基礎的な観光情報を以外、ブラジルの諸事情や自然情報は皆無に近いのが現実です。

f0022866_9225861.jpg昨今の自然観察ツアーは、事前情報や最新自然状態認知の有無で、その観光の満足度が格段と違ってきます。そこで当地で生活しパンタナールに魅了された者としては、少しでも多くの方にブラジルの大自然に興味をもってもらい、正しく理解していただきたいとの思いで現地からの情報発信を決意いたしました。僕は学者でも、専門家でもありません。単なる動物観察が好きな生態学を少々かじった人ごみが苦手なおっさんです。掲載している情報で間違いもあることでしょう。その道のプロの方から見て明らかな誤りがあれば是非訂正していただきたいです。

このサイト設立の目的は、自然に興味があり是非ブラジルまで来て見てみたいという好奇心旺盛な日本人に対し、少しでも旅のお役にたてられればとの思いで製作しています。刻々と移り変わる自然を観察記録し、現地から生の声を伝えていきたいです。


<おっさんお勧めの僻地>
パンタナール、イグアスの滝とセットで行ってみるのも良いかも。

f0022866_840066.jpgTV番組コーディネイトの仕事で長期滞在した白い砂丘のレンソーイス国立公園。ブラジル北東部マラニョン州(首都サン・ルイス市は世界文化遺産に指定されているのに、この美しい砂丘が自然遺産に指定されていないのが納得いかない!)景色だけならブラジル一かも知れない?月世界のような幻想的な風景が見られます。
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by pantanalinbrazil | 2005-12-18 23:00 | パンタナール 概 要
2005年 12月 18日
どんなところ?

f0022866_22141027.jpgブラジル・ポルトガル語の「パンタノ」はもともと沼地や湿地を意味する言葉で、その沼地がたくさん集まった場所という意味で「パンタナール」と呼ばれています。あえて日本語的で表記をするなら「マット・グロッソ湿原」と記します。ただし、より正確に当地を表現するなら「湿原」とは言えません。湿原の定義は、通年水に浸かっている泥炭地を意味し、パンタナールは一年中水には浸かっていません。雨季の僅か3~4ヶ月に年間の70%以上の降水量が集中し、河川が氾濫し平原の低地を覆ってしまいます。


f0022866_2246153.jpgパンタナールはブラジル、ボリビア、パラグアイの三国にまたがる世界最大の氾濫平原(浸水草原)です。その面積は日本の本州と同じくらい(約20万平方km)の大きさです。パンタナールと呼ばれている地域の限定はラ・プラタ川水系の主流パラグアイ川に注ぐ全支流地域の海抜130m以下の低地帯を指します。
それらの低地帯の約70%が河川や湖の氾濫水で浸水してしまう為、氾濫平原もしくは氾濫盆地(周りを山脈に囲まれた低地の為)と呼ばれています。

また、ブラジル領パンタナール(全体の70%を占める約15万平方km)は行政区分的にはピキリ川を境に北(約5万平方km)と南(約10万平方km)に分けられています。
最北限(カーセレス海抜118m)と最南限(ポルト・ムルチーニョ海抜90m)の距離が600kmもありますが、その標高差はわずか30m足らずでその傾斜は1kmで2~3cm下がる程度です。

パンタナールには日本のような四季はありません。
大別して雨期と乾期の2つの季節のみです。ただし、生態系を左右する氾濫水の水位状態で4つの季節に別けています。その時期は地域によって異なりますが私が住んでいるポコネ地区、北パンタナール地域は雨期が11~4月で乾期が5~10月です。

11月くらいからまとまった雨が降り始め、1、2月に本格的な雨が降り、川や湖の水位は上昇し水が溢れ出します。この時期を増水期及び氾濫期と呼びます。
この時に小魚は一斉に浸水草原や浸水林に移動します。なぜなら、このような場所は水位が浅く、小魚の捕食者である大型魚が入りこめないからです。それに草原や森林は色々な生物の死骸や落ち葉などの有機物が豊かで、そこが浸水することによって微生物プランクトンが大発生します。小魚にとってはそれらは良い餌になる訳です。

f0022866_641552.jpgそして、3月くらいから雨の量は減り始め、川や湖の水の氾濫は収まり河川は落ち着きを取り戻します。この時期パンタナール全域は水で満たされ、場所によっては海のようの景色になります。この3、4月を満水期と呼びます。雨による水の汚れもおさまり水の透明度は高く景色的には1年で一番綺麗な時期です。

5月頃から雨はほとんど降らなくなり、草原や森林の氾濫水はより低い所に流れ始め、浸水地域は減り始めます。この時に増水期に移動した小魚はまた川の本流や湖に戻ります。アメリカトキコウやベニヘラサギなどの渡鳥が子育ての為にパンタナールに渡って来ます。浸水地域の水は日増しに浅くなり、一部は乾燥し始め川や湖と遮断され小魚たちは草原地帯に取り残されます。そしてこの小魚たちの運命は干からびて生命を絶つか、トリたちの餌になるかのどちらかです。このような無数の小さな溜池はトリや動物たちの格好の餌場となります。この5~7月の時期を減水期または排水期とよびます。

f0022866_6482860.jpg7月くらいから雨はまったくと言っていいほど降らなくなります。まれに7、8、9月の3ヶ月間一滴の雨が降らないこともあります。浸水草原や浸水林の水は乾燥し、氾濫水は最も低い場所に集中しその溜池は乾期の動物たちの水飲み場として重要な役割を果たします。溜池の小魚を狙っておびただしい数の鳥たちが水場に集中し、浸水地域に散っていたワニも、限られた水場に集り水場はワニとトリたちで一杯になり観光客を喜ばしてくれます。9月下旬頃は余りの乾燥の為、草や葉は枯れアフリカのサバナ(乾燥草原)のようになり、とても湿原とは言いがたい景色になります。この頃は水場も涸れて、水のあるところは川の本流と湖のみです。さすがのワニも水無しでは生きていけないので彼たちも水を求めて川に移動します。この時期を乾燥期と呼びます。

10月中旬頃からまた少しづつ雨が降り始め、乾燥した大地に湿り気を与え、枯れていた草や木は一斉に新芽を出す新緑の季節です。そして、また本格的な雨が降り始め、雨期が始まります。

これらの水の営みがパンタナールのたくさんの生き物達を育むのです。
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by pantanalinbrazil | 2005-12-18 22:00 | パンタナール 概 要
2005年 12月 18日
トランスパンタネイラ
「パンタナール縦断道路」と訳したら良いのかな?

日本の本州とほぼ同面積の氾濫平原の一部を南北に縦断しています。

f0022866_6513337.jpg北パンタナールの主要アクセス地点がカーセレス、ポコネ(筆者在住)、バロン・デ・メルガッソ。南パンタナールでは、コルンバ、ミランダ、アキダウアーナの6つの町が主要アクセスとして利用されています。トランスパンタネイラは北のポコネから南のコルンバ間の400kmを繋げようとして造られた産業道路道です。

1970年に計画され、翌年から南北両方の町から工事を始めました。工事は困難を極みましたが、道路はそれなりに形つくられていました。ところが1974年の大雨で南部建設中の道路が大洪水で流されてしまいました。その後、南部の工事は中断され予算も消えて計画自体が消滅。しかし、北部は標高が僅かばかり高いせいか浸水域も南よりは少なく、1978年には計画予定の中間地点のクイアバ川まで完成しました。現在はそこが最終地点となり「ポルト・ジョフレ」と呼ばれ、何軒かの宿泊施設とキャンプ場、ガソリンスタンドがある船着場になっています。したがって、この道は浸水大平原地帯を完全には縦断していません。

この道路、ポコネの町からポルト・ジョフレまで全長149㎞あり木造の橋が119、コンクリート製が2つかけられています。この橋のある間隔も場所によっては差がありますが、約1km間隔に橋があることになります。なぜ、これほど多くの橋をかける必要性があったのでしょう?この道路がある土地は、もともとはただの平原で雨期になると殆どの場所が浸水します。そこを一年中車が通れるようにするには盛土の必要がある。そこで完全に水が干上がる乾期に道の中心線を定め、その両側10mずつを掘削し、その砂を中心に寄せて押し固め、その上にポコネ近郊から運んできた赤土を盛り固めました。

こうして浸水平原に人口の「堤防」が完成したわけです。これらの堤防はパンタナールの生態系に多大な影響を与えました。水の流れの盛んなところには水路確保の為に橋をかけましたが、その水流の変化は著しいものがあり、水の流れを止められた所は乾燥化し、草原にはブッシュが茂り始めて森林化が進んでいます。反面、道の両側を掘り下げたことによって、その部分が天然の貯水池の役割を果たし一年中水が確保される所もあり、水生動物の住家、大型動物の餌場、水飲み場となりました。乾期になると水場を求めてこの人口の貯水池、餌場にたくさんの渡鳥やワニたちが集り、観光客の目を楽しませてくれます。

そもそも、この道路の使用目的は、放牧牛の運搬を容易にする地域産業向上という名目でした。しかし、パンタナールの放牧は、近代的な管理牧畜とは対極の野放らし半野生状態で飼育している放牧です。その為に肉付きが悪くて生産効率が非常に低い、市場に出しても良い値がつかない、運搬費用が高い、そうなると必然的に儲けが少なくなります。その上追い討ちをかけるような国産牛肉の市場価格の低下でパンタナールの放牧業は廃れてきました。道路の使用頻度は低くなると共に管理もずさんになり、この道路は一時期忘れられていました。

ところが、1980年代後半になるとブラジルに観光ブームが押し寄せ、外国人旅行者がアマゾンやパンタナールなどの大自然観光に目を向けるようになりました。牧場経営者はこの波に乗り遅れるなと母屋を増改築し簡易宿泊施設を整え「牧場ホテル」と呼ばれる観光ロッジへと早がわりしていきました。観光客1人を2泊させたら仔牛1頭の値段が儲かる。牧場経営者達はこんなおいしい話はないと次々にロッジに投資を始め放牧を完全にやめてしまうところも出てきました。

こうしてトランスパンタネイラは、北パンタナールの主要観光地になったわけです。今では道幅も広げられ、電気も65㎞地点まで通り、宿泊施設は13ヶ所あります。ロッジの部屋にはクーラーも付けられ、現地で生活している人達の生活水準も向上し、僅かながらのお金も落ちるようになり地域経済は良くなってきています。しかし、利用されている大自然の状況はどうでしょう? 年々訪問客も増えてきて、道路の使用頻度も高くなれば必然的に自然環境にも悪影響がでてきます。

路面状態が良くなり車は速度を上げ、砂埃をあげながら時速100キロ以上で走る車も出てきます。野生動物は「堤防」によって分断されたテリトリーを移動する為にこの道を渡ります。特にカピバラ、カニクイイヌ、ワニ、アナコンダ等は暴走車の格好の餌食です。

また、この道路で一番目につく問題はゴミの散乱です。この問題はブラジル全般にいえることですが、訪問者は「ゴミを捨てる」という行為に悪気を感じておらず、無意識のうちに手から離れているようです。とくにひどいのはブラジル人釣客で、ボートで釣りをしながら缶ビールやジュースを飲んで、そのままポイと川に投げる。缶だけに限らずタバコの吸殻、ビニール袋、自分に必要がなくなった「物質」はすべてその場で手元から離れます。これらの行為は車を運転していても同じことです。また釣客のゴミで最悪なのが釣糸で、この被害は野鳥に直接の影響が出ています。脚や嘴、ひどい時は身体に釣糸が巻き付き生死にかかわる問題となります。

釣客は周りの景色や動物達にはあまり興味がなく、一目散に最終地点の船着場に向かいます。昼も夜もおかまいなく車をとばすので、当然野生動物が道路に出てきても、その速度では避けきれずひいてしまいます。いちがいに動物達を殺しているのは釣客や現地に住む牧場関係者だけとは言えません。時には観光客でも同じことが言えます。さすがに目につく大きなゴミを捨てることはありませんが喫煙者などはタバコの吸殻を何気なく捨てている人を見かけます。この問題はタバコ購入時に携帯灰皿パック購入も義務づければ解決すると思いますが、肝心なのは喫煙者自身の意識改革でしょう。

この道路は、綿密な計画のもとに運営管理をすれば理想の自然観察観光のメッカになる可能性を秘めています。しかし、残念ながら現在のところ理想とは程遠い状態です。今後、政府、NGO、地域社会などがまとまり(非常に困難なことだと思います。)パンタナールを介して利用者への環境教育を徹底し、その生態系の役割と重要さを伝えていくことが必要でしょう。私もその関係者の一人として出来る限り、それらの活動に参加していきたいと思います。
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by pantanalinbrazil | 2005-12-18 21:00 | パンタナール 概 要
2005年 12月 18日
植物相
パンタナールの降水量は平均年間降水量1400mmと比較的少ない雨量の為、アマゾンのような熱帯雨林を形成する高木は見られない。

パンタナールの植物は大別して水辺の水草類、草原の草本科とマメ科を中心とした潅木や樹木、川辺林など林立する耐水性の強い樹木と、様々な環境に適応した何種類かの椰子類に分けられる。

椰子類で一番多く見られるのはアクリ椰子。その他、カランダー、ボカイウーヴァ、トゥクン、ブリチ等の椰子がある。アクリ椰子は草原に点在する独立した森林(現地名「カッポン」島状森林と呼ばれる)に密生している。このアクリ椰子はパンタナールの動物相を支える重要な役割を果たしている。この椰子の実は栄養価が高く、スミレコンゴウインコを始め、フサオマキザル、アグーチ、パッカなどの食料源になる。
ボカイウーヴァの実の果肉は粘質で甘味がある為、「パンタナールのガム」と呼ばれ地域住民も好んで食べる。トゥクン椰子の実は、小鳥や魚などが捕食する。パンタナールの満水時に実をつけて熟すると実は落ちる、その一連のサイクルを知っている魚、カラシン科のコロソマ属のパクーなどが椰子の木の下で実が落ちるの待っている。

水草で最も目に付く種類はホテイ草の仲間、ホテイアオイ。現地では「水の足」と呼ばれ河川や沼地などの止水地で強い太陽光線の恩恵により瞬く間に水面を覆い尽くす。
浮遊性水生シダのサンショウモの仲間「ジャガーの耳」やボタンウキクサ「水レタス」と呼ばれる浮草類は小魚達の格好の隠れ家になる。これらの水草の根は水中に含まれる有機物や泥など吸収する浄化作用を持つ。
珍しい水草ではオオオニバスがパラグアイ川周辺のみの止水地で見られる。大鬼蓮は、アマゾンの植物で有名だがパンタナールにもあり、形態が微妙に違う。こちらのオニバスの葉縁はアマゾンのよりも高く葉の肉厚も厚い為、アマゾンよりも重厚な感じがする。
蓮の仲間では「夜の貴婦人」の名を持つ、月下美人の仲間もその白い芳香を放つ小さな白い花を夜に見せてくれる。

パンタナールを代表する大木と言えば桃色イッペー。現地では「ピウーヴァ」と呼ばれ、乾期(7月下旬~8月初旬)に鮮やかな八重桜のような濃い桃色の花を付ける。
黄色イッペーはブラジルの国樹として有名で、セラード地域やサンパウロ近郊で良く見られる。イッペーの種類は様々で桃色、黄色、紫色、白色と色鮮やかである。
パンタナールで見られるのは桃色と黄色。またこの桃色イッペーのある種には樹皮に抗癌物質が含まれている為、日本ではその樹皮が高価で取引されている。
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by pantanalinbrazil | 2005-12-18 04:00 | パンタナール 概 要
2005年 12月 18日
動物相
パンタナールを代表する動物といえばワニとカピバラと鳥。

ワニは推定300万匹いると言われている。ワニの仲間は3種類に大別される。アフリカやオーストラリアに生息するクロコダイル科、インド、南アジアにいる口が細長いガビアル科、そして南北アメリカ大陸に生息するアリーゲーター科。
パンタナールに生息するワニはアリゲーター科メガネカイマンの亜種、パラグアイカイマン。頭に対して目は大きくて愛嬌がある。体長は大きくても2m弱。ちなみにアマゾンにいる種はクロカイマンで最大6mにもなる。とにかく乾期7~10月にPLに訪れるとワニはたくさん見られる。

世界で記載されている野鳥の数は約9000種と言われパンタナールでは約650種観察されている。そして、その外縁部であるセラード(複合潅木疎林地帯)を含めると950種記載されている。野鳥観察を専門に一週間パンタナールに滞在すると300種前後観察できる。鳥の知識が全くない一般観光客でも最低でも70種程度は見られる。少し真剣に双眼鏡で観察すると70~120種見られる。
ここで目に付く代表的な鳥はコウノトリの仲間のズグロハゲコウ、アメリカトキコウ、サギ類でダイサギ、アオサギ、アマサギ、ユキコサギ、トキ類はハイイロトキ、クロハラトキ、アオアシトキ。ワシタカ類はキガシラコンドル、クロコンドル、ミサゴノスリ、タニシトビ、その他ヤマセミ類、キツツキ類、インコ類、カマドドリ類、アリドリ類、タイランチョウ類など多種多様な鳥が観察できる。その中でも絶滅危惧種に指定されている全身コバルトブルーの大型インコ「スミレコンゴウインコ」が比較的容易に見られる。

哺乳類で一番有名なのが齧歯目最大種のカピバラ。様相は全身茶色の巨大なモルモット。ネズミと違うのは鼻先が尖らずに箱型。水辺や草原で群れを成して生活している。危険が迫ると水中に逃げる。生後一週間たらずの子供でも巧みに泳ぐことが出来る。

レッド・データブックの絶滅危惧種に記載されているオオカワウソも代表的な動物。三日月湖や流れのない中規模の河川を住処にし、多い時には10頭前後の群れとも遭遇することもある。

また湿原に適応した個体として面白い種はヌマジカ。草食動物全般は水には入りたがらないがこのシカは胸まで水に浸かって水草を食べる。そして川辺林などのある程度湿度が保たれている濃い森には南米大陸、哺乳類最大のバクも生息する。水場の生活を好み、川辺林などの歩き易い散策路に溜糞をする。森の中で小型のイノシシのような個体が数十頭群れを成して牙を鳴らしていたら危険である。クチジロペッカリーといわれ敵に猪突猛進で襲ってくる。ジャガーですら手におえない動物。この群れと遭遇したら木の上に逃げるしかない。

南米ネコ科最大のジャガーはブラジルではパンタナールが一番観察し易いと言われている。ジャガーは完全な夜行性ではなく薄明薄暮なので夕方や朝方の川辺の土手や中州の砂浜で休んでいる姿を見かける。ネコ科動物は概して泳ぎが得意ではないがジャガーに関して例外のようだ。中型のネコ科、オセロットなどは夜の水場で見ることが多い。

草原に墓標のように点在する大きなアリ塚の白アリを食べるオオアリクイはそれほど多い個体ではない。むしろ樹上性白アリを捕食する小型のコアリクイの方が見られる。

サル類はアマゾンのように種類は多くない。パンタナールで観察できる個体は、クロホエザル、フサオマキザル、シルバーマーモセット、ヨザルの4種のみ。ホエザルは川辺林、フサオマキザルはアクリ椰子が密生する島状森林などで生息している。マーモセットはリス位の大きさなので肉眼で見つけるのは困難である為、コミュニケーション時に発声する特徴のある甲高い鳴声でおおよその場所を確認してから見つける。

コウモリでは南米特有の小魚を捕食するウオクイコウモリが珍しい。夕方薄暗くなると川面に甘い芳香を漂わせながら水面にいる小魚を長い足で捕まえる。このようにパンタナールの動物は水辺の生態系に適応した種類が多い。
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by pantanalinbrazil | 2005-12-18 03:00 | パンタナール 概 要